「自宅」が「病院」のようになる未来へ
「お家でずっと過ごしたい」「イキイキと自分らしく暮らしたい」という方々の声に応えるため、2021年2月に「みかん」を立ち上げました。三浦市の「み」と看護師の「かん」の頭文字が社名の由来です。「在宅ケアを美しく広げる」を理念に掲げ、スタッフたちが日々訪問する中で、たくさんの利用者さまに元気を届け、「来てもらって良かった」と納得してもらえるケアを心掛けています。
私の出身は熊本県で、両親が営むお寿司屋さんの長女として生まれました。若い頃は会社員として経理事務やホットヨガの講師、アパレルブランドの販売員をしていた時期もあります。2008年のリーマンショックをきっかけに、「人を助ける職に就こう」と看護師の道へ。三浦市立病院に8年間在籍し、主に心不全や肺炎の患者さんを担当しました。その間には3人の子育てもしてきました。私も家族も、三浦半島に育てられてきたのです。いつしか「看護の力で地域住民の健康と笑顔を生み出せる存在になりたい」という考えに行き着き、独立を決意。これまでのノウハウを活かしながら、「看護師が社会を変えるにはどうすればよいのか?」をテーマにした日本財団「起業家育成事業」の支援を受け、「みかん」の開設に至りました。
三浦市は高齢化率が40%と高く、看取り数は年6,000人のペースで推移しています。今後ますます在宅ケアが必要になっていくと思います。「歳を重ねても病気や怪我をしても、安心して過ごせるまちにしていきたい」「本人や家族の希望に沿った生活を心を込めて応援したい」。その実現のためには、訪問看護と定期巡回の両輪で支えていくことが必要不可欠。「まるで自宅が病院のよう」と感じる時代はもう目前に迫っています。若くエネルギッシュで、三浦を愛するスタッフだからこそできる新たなサービスで、これからも利用者さまの気持ちにそっと寄り添い、地域に貢献したいと思います。
みまもり訪問看護 みかん代表
高橋 宏美