困った人に手を差し伸べられる存在に
「在宅ケアを美しく広げる」を理念に掲げ、「みかん」は2021年2月に立ち上がりました。三浦市の「み」と看護師の「かん」の頭文字が名前の由来。スタッフたちは日々の訪問の中で、たくさんの利用者さんに元気を届けています。
私は三崎で生まれ育ちました。身内には医療従事者が多く、幼い頃から漠然と「私も病院で働くのかな」と思っていました。ただ、薬剤師になって薬の研究をしたいのか、理学療法士になってリハビリの手助けをしたいのか、いろいろと思いを巡らせていた高校2年生の時に、三浦市立病院で行われた職業体験に友人と参加。そこで患者さんと触れ合う機会の多い看護師になることを決心しました。国家資格を取得後、職場体験でお世話になった同じ病院で内科や整形外科などを担当。8年ほど勤務しました。
その後、さらに看護師としてのスキルをレベルアップしようと、訪問看護と定期巡回の両輪で利用者さんを支えていたみかんへ。病院で働いていた時は「いかに苦痛なく過ごせるか」など、どうしても患者さんを病人として見てしまいがちでしたが、訪問での仕事を始めてからは「利用者さんやご家族お一人お一人が、どのような暮らしを望んでいるのか?」をより深く、自分事として考えられるようになりました。これまでとは違った視点で世界を見られるようになったことで、利用者さんに笑顔で接する場面も多くなったような気がして、慌ただしい中でも充実した毎日を送っています。
ここには看護師のほか、介護福祉士やヘルパー、理学療法士など、あらゆる分野のスタッフが在籍しています。それぞれの立場から意見を聞きながら、利用者さんのために助け合える関係が築けている環境に、誇りをもって仕事に取り組めています。
1回でも100回でも駆けつけた回数に関わらず、要介護度による定額制の定期巡回も、地域にだんだんと知ってもらえてきたと実感しています。あたたかいハートをもつ住民が多い地元・三浦。相談窓口は他にもたくさんありますが、みかんは本当に困った時に手を差し伸べられる存在として頼られ、私たちのケアで少しでも安心して生活してもらえる人が増えればうれしいです。
みまもり訪問看護 みかん管理者
松崎 彩